【DATA】
- 所在地:東京都中央区銀座
- 設計:岡田信一郎
- 施工:大林組
- 竣工:1924年
銀座の東のはずれ、築地のほど近くに堂々とした姿を見せる歌舞伎劇場です。遺作である明治生命館に代表される様式建築の名手と謳われた岡田信一郎の設計によるもの。鉄骨鉄筋コンクリート造を採用した従来の和風建築よりはるかに大きなスケールでありながら、和風の意匠を破綻なくまとめています。
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日本における様式主義建築の最高傑作とも評されるネオ・ルネッサンス様式による生命保険会社の本社ビル。設計は歌舞伎座を手掛けた岡田信一郎によるもので、徹底された古典的意匠は、欧米のネオ・クラシシズムの建築にも引けをとらず、昭和の建物として初の重要文化財指定を受けています。コリント様式の5層を貫く大オーダーが最大の特徴で、一見すると何の違和感もなくデザインされているように見えますが、これだけ大規模な建物の中に古典的様式を破綻無くまとめるために、様々な工夫が凝らされています。
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【DATA】
東京中央郵便局、大阪中央郵便局 でご紹介した逓信省の建築家 吉田鉄郎設計による昭和初期の電話局の建物が、70年の時を経て商業施設として生まれ変わりました。生まれ変わったと言っても、スクラッチタイル張りの外壁にアーチが連続するファサードは当初のままなので、一見しただけでは大きく改修されたようには見えませんが、南側に増築された濃い青色の柱が並ぶアトリウムが中の雰囲気を暗示しています。
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御堂筋に面して壮麗な姿を見せる老舗の百貨店。すでにその姿を消してしまった「そごう百貨店」と並んで心斎橋の顔とも言える建築です。モダンなデザインの「そごう」に対して、内部外部ともに多様な装飾が施された大丸、ほぼ同時代の建物でありながらまったく異なるボキャブラリーによる二つの建物が並んでつくり出す都市景観は、本町の大阪ガスビルディング、難波の新歌舞伎座と並んで、御堂筋を特徴付ける重要なものでした。
かつて心斎橋筋商店街に建っていた喫茶店です。ガラス越しに並ぶ動物パンが有名だったのでご存知の方も多いのではないかと思います。設計は、そごう百貨店心斎橋店や米子市公会堂などでご紹介した村野藤吾。47年という長い間、心斎橋筋商店街を見続けてきたこの喫茶店も残念ながら2003年に閉店をむかえ、現在はその姿を目にすることはできません。
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大阪のメインストリート御堂筋に面して建つガス会社の本社ビル。近代大阪を代表する建築家 安井武雄氏の代表作であるとともに、近代オフィス建築としても代表的な建築です。乳白色のタイル張りの上層部と黒御影石の基壇部のコントラストも美しく、鼻先が黒く塗られた水平方向を強調する庇、そしてコーナーのカーブが特徴的です。この建物は単にガス会社の本社というだけでなく、展示・実演スペースやホール、食堂なども備え、かつては「ガス飴」というお菓子を販売するなど、ガス会社の広告塔としての役割も大きかったようです。
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大阪倶楽部は、古い格式を持つ大阪財界人の社交クラブで、安井武雄が片岡建築設計事務所の所員時代に手掛けた作品です。 安井氏本人は「南欧風ノ様式ニ東洋風ノ手法ヲ加味セルモノ」とこの建物のデザインを称しています。単窓とアーチをバランスよく配し、頂部や窓廻りをテラコッタで飾ったタイル張りの全体像が南欧風。各部に見られるエキゾチックな装飾が東欧風というところでしょうか。しかし、今橋通りに面して建つ姿からは、何々風という形容を超えた安井 武雄の造形力を実感させられます。
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大阪中之島、堂島川に面して建つ、中之島界隈の重要なランドマークとなっている建物です。
遠方より一見すると、スクラッチタイル張りの外壁に縦長の窓がリズムよく割付けられたシンプルな外観ですが、中之島通り沿いの庇から下の部分には非常に密度の濃い意匠が凝らされており、通行人の目を楽しませてくれます。
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土佐堀川と堂島川に南北を挟まれた中ノ島公園に建つその姿は、中之島の景観を特徴付けるもので、かつて水の都と呼ばれた大阪のシンボル的存在です。当時国内最大の規模で計画され、その建設費は莫大なものだったと思われますが、在阪の株式仲買人 岩本栄之助氏の寄付を基に建設されました。