【DATA】
- 所在地:鳥取県米子市角盤町
- 設計:村野・森建築事務所
- 施工:鴻池組
- 竣工:1958年
市制30周年を記念して建てられた市立の公会堂。芝生が張られ噴水のある前庭は、米子市中心部の市民の憩いの場として親しまれているようです。また、この公会堂の建設にあたっては、「一世帯が毎日一円を貯めて公会堂を」という市民運動が盛り上がり、2億円近くの建設費のうち3千万円余りを募金でまかなったという、当時の市民の関心の高さがうかがわれるエピソードが残っています。
扇型の平面形の観客席がホールの形状がそのまま表わされた外観は、 50年近く前にデザインされたとは思えない大胆なものです。これは、村野氏が設計前にアメリカ・ラテンアメリカを外遊していることから、ブラジルの教会とグランドピアノのイメージを重ね合わせたデザインとも言われていますが、むしろ、ロシア構成主義の建築家コンスタンティン・メーリニコフのルサコフ・クラブなどに見られるダイナミックさを感じます。
このような形態は、ともすれば量塊的で圧迫感のある表現になりやすいと思うのですが、ダイナミックな形態でありながら重さやあ圧迫感を感じさせないのは、緩やかな曲面を連続させた屋根や、バルコニーの構造部材やなどの細い見え掛りなど、細部まで行き届いたデザインによるもので、随所に村野作品らしさが表われています。
この建築が竣工したとき村野藤吾氏は67歳ですが、同年に大阪新歌舞伎座や横浜市役所などの代表作が竣工しており、当時の精力的な活躍ぶりがうかがわれます。
かけがえのない歴史建築は開発的保全再生を図るよう関係方面へ呼びかけています。近現代建築史研究会。
近現代建築史研究会様
コメントありがとうございます。
耐震診断の結果がずいぶんと悪かったみたいですが、
今後の方針は未定のようですので、
貴会の働きかけがよい方向に行くとよいですね。
ご活躍を期待しております。
現代の名建築・米子市公会堂を、文化財に
鳥取県知事殿、米子市長殿、文化庁殿
耐震性が問題視されている米子市公会堂((昭和33年竣工、設計者村野藤吾、角盤町2丁目)は、文化財クラスの優れた近代の名建築です。後世に悔いを残さないためにも、耐震補強をしながら文化財の選定についてご検討をお願いします。近現代建築史研究会は歴史遺産の保全・活用を関係方面へ呼びかけています。
近現代建築の研究をしている立場から地元の保存の動きに対して関西からも応援をしています。魅力的な街造りのために歴史建築の保全活用をご検討ください。ご指導をよろしくお願いします。
近現代建築史研究会。
近現代建築史研究会 様
米子は解体の方向なのでしょうか?
貴会の働きかけが上手くいくとよいですね。
ご活躍をお祈りしております。
先日は有難うございました。
米子市長殿。
先日、約40年ぶりに米子市公会堂を訪ね、その美しさに感激。よそ者が無責任に保存の声を出すべきでないとの批判がある中、保存を要望していた者の一人として今後の保存のされ方に関心があります。募金活動も含めて、関西からも協力できればと市、保存運動をされている人たちとも話してきました。
明治中期に生まれ全国各地で建設された公会堂建築は、昭和30年代で終わり、その後は、市民会館として新しく建設されて行きます。その最後を飾るのが米子市公会堂です。米子市へは、文化財クラスの優れた現代名建築の文化財指定を要望し、ささやかながらも保存への協力を申し入れてきました。地元の保存の動きに対して関西からも応援をしています。市民の思いを組み込んだ保全再生を関係方面へ呼びかけています。
近現代建築史研究会
近現代建築史研究会 様
こちらは個人的に米子市公会堂をご紹介しているだけのページです。
関係者へのご挨拶やご要望等につきましては、
直接ご連絡いただけますようお願いいたします。
米子市公会堂をモデルにして開発的保全再生を関係方面へ呼びかけています。
難波高島屋のリニューアル,文化財指定で古い建築がよみがえる中、すぐ前にある昭和の名建築旧新歌舞伎座は、工事用のパネルに囲われて痛ましい。同じ建築家村野藤吾の設計になる米子市公会堂は、取り壊しの危機を乗り越えて再生される。かけがえのない都市の資産は、なんとしても保全再生を願いたい。
近現代建築史研究会
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