【DATA】
- 所在地:東京都千代田区神田駿河台
- 設計:山田 守
- 施工:不詳
- 竣工:1927年(昭和2年)
神田川に架かる震災復興橋梁。「聖橋」という名称は、湯島聖堂とニコライ堂を結ぶことにちなみ、公募の中から選ばれたものです。
大きな円形アーチと複数の大きさの異なる先尖りのアーチを左右に配した姿は、コンクリートの可塑性を活かしたシンプルで力強いデザインとなっています。この先尖りアーチは、当時、村野藤吾、長谷部鋭吉にも用いられたモチーフで、山田守は、東京中央電信局(現存せず)でも、この先尖りのアーチをファサードに取り入れています。
ただ、近年の化粧直しで、石を模した仕上げと石積みを模した目地が施されてしまい、もともとのコンクリートの可塑性を活かしたデザインとは相容れない表現は、なんとも残念な感じがしてしまいます。
写真のように御茶ノ水橋から真正面にみるのもいいですし、JR御茶ノ水ホームから間近に見るのも、迫力が伝わってきていいものですが、地下鉄丸の内線の本郷一丁目-小川町間で、神田川を渡るときに一瞬見える、水面に近い視線からの姿がお勧めです。
設計者の山田守は、逓信省(現郵政公社及びNTT)に所属しするとともに、分離派建築会の主要メンバーでもあった建築家。隅田川に架かる永代橋、清洲橋等のデザインにも関与したと言われています。
聖橋のたもとで生まれました!(笑)
神田っ子はみなそう言います。
さて、この橋のモデルがオーストリアにあります。クリソツなのでご覧ください。
カトリーヌさん、こんばんは。
聖橋が地域に根付いてることを表すエピソードですね。
それにしてもご紹介いただいたオーストリアの橋梁、
聖橋にそっくりです。
俳句や短歌に本歌取りがあるように、
建築に元ネタというのはつきものですが、
その元ネタを見つけたときは結構うれしいものです(笑)