【DATA】
- 所在地:大阪市中央区淡路町3丁目
- 設計:不詳
- 施工:不詳
- 竣工:不詳
大阪は船場地区、御堂筋から一本東に入った北東の角地に立つ小さな建物は、スクラッチタイル張りの外壁、頂部のデザイン、北側の外壁に配されたアーチ状の開口部などから、パッと見の印象はいわゆる近代の洋風建築といった印象です。しかし、その全体像に目を向けると、スクラッチタイルと対比されたテクスチュアレスな外壁の仕上げ、角地の敷地条件をうまく活かした非対称なファサード等、その第一印象とは反対に非常にモダンなデザインとなっています。タイル張りのボリュームのコーナーを刳り貫いたようなファサードには、絶妙なバランスで非対称に開口部がとられており、小品ながら端整な表情を見せています。一方、平面的には、北側を主要なスペースとして南側に階段室を配する構成で、近代から現代の中小オフィスビルに見られる片側コア型の平面構成となっています。
この建物、参考文献をいろいろあたったのですが、歯医者さんの建物ということ以外まったく何も情報がありません。しかしながら、南東入口に見られる「ドクトル・板谷 辰次」の銘版からは相当古くからあった建物であることがうかがえます。この建物について何かご存知の方がいらっしゃいましたら、どんな情報でも結構ですので教えていただければ幸いです。
最近板谷歯科医院のHPが公開されています。現歯科医は二代目の孫娘の婿「岩住征紀」先生です。URLは
http://www008.upp.so-net.ne…です。
はじめまして。情報ありがとうございます。
この記事を書いた数年前は、
板谷歯科医院さんのHPはなかったのですが
(私が見つけられなかっただけかもしれません)、
開設されていたんですね。
こちらのページによると、1919年(大正8年)開院、
1937年(昭和13年)よりこの場所で診療を始めたとのこと。
初代院長の板谷辰次さんの銘板は開業当初からのものなんですね。
貴重な情報ありがとうございました!