【DATA】
- 所在地:東京都千代田区神田駿河台
- 設計:吉阪隆正+U研究室
- 施工:戸田建設
- 竣工:1960〜1980年
神田駿河台の崖地に建つ外国語学校の校舎です。見るものに強い印象を与える紫を基調とした色彩は、吉阪氏がアルゼンチンで見たアンデスの夕日の色が発想の源となったものです。外部仕上げとしてコンクリート打放しの素地仕上げが主流であった当時、コンクリートにペイントを塗る行為とこの色彩は衝撃的な事件だったようです。
確かにその色彩は強烈なものですが、ロゴがレリーフされた塔、、、ピロティによって宙に浮く波打つステンレスの外壁など、素材感・形態ともに多様なエレメントからなる全体像は色彩以上に印象的で、都市のランドマークとしての建築のあり方を示しているような気がします。 また、それぞれのエレメントが一時につくられたのではなく、 大学セミナーハウスと同様に長期に渡る増築を繰り返して現在の形に至っていることも大きな特徴で、吉阪隆正氏が唱えた「不連続統一体」という建築に対する考え方が具現化されています。
学校という用途から、通り側は喧騒を遮るように計画されているのに対して、崖地の下から望む姿は大きく開口をとった開放的なデザインで、とちの木通り側とは違う印象的な姿を見せていたのですが、周囲に高層の建物が増えてきたため、現在はその姿を見ることができないのが少々残念な気がします。