NOA ビルディング

銘板

【DATA】

  • 所在地:東京都港区麻布台
  • 設計:白井晟一+竹中工務店
  • 施工:竹中工務店
  • 竣工:1974年

 近代から現代にかけての建築の潮流とは一線を画した建築家、白井晟一氏設計によるオフィスビルです。割肌レンガの基壇とブロンズパネルの楕円形平面の塔、最小限に抑えられた形態と素材の組合せによるシンプルな外観は強烈なインパクトを持っていて、30年経った今でも、その力強さに圧倒させられます。近代以降の建築の多くは、良くも悪くも外観と用途が結びついているものですが、この外観からオフィスビルという用途を類推することは難しいのではないでしょうか?

続きを読む

東京都中央卸売市場築地市場

仲卸売場

【DATA】

  • 所在地:東京都中央区築地
  • 設計:東京市
  • 施工:錢高組
  • 竣工:1933年

 築地市場のことを魚河岸と呼びますが、これは関東大震災前まで魚市場が日本橋の川岸に開かれていたことに由来しています。被災後は日本橋が東京の中心地として繁栄したため移転を余儀なくされ、芝浦への一時移転を経て、 1935年(昭和10年)、海軍兵学校跡地に築地市場として開設されました。
 建築に注目して築地市場をご紹介することに驚く方もいるかもしれません。しかし、この世界最大の水産物卸売市場は、建設当初は最先端の建築技術を駆使した建物だったのです。

続きを読む

同潤会大塚女子アパートメント

外観

【DATA】

  • 所在地:東京都文京区大塚
  • 設計:同潤会建築部営繕課
  • 施工:大阪橋本組
  • 竣工:1930年

 取り壊しが進み数少なくなっている同潤会アパートの一つで、職業婦人の居住の安定を目的とした、国内でも数少ない公共による女子専用アパートとして貴重なものです。戦前から戦後にかけて同潤会の解散等の状況の変化に伴い、同潤会アパートは居住者に払い下げられましたが、この大塚アパートだけは土地建物とも東京都に払い下げられて都営住宅として運営されていました。

続きを読む

横浜港大さん橋国際旅客ターミナル

屋上庭園

【DATA】

  • 所在地:横浜市中区海岸通
  • 設計:FOA(Foreign Office Architects)
  • 施工:清水建設、鹿島建設、戸田建設他
  • 竣工:2002年

 横浜の大さん橋埠頭につくられた新しい旅客ターミナル。それにしても、この建物は私達が空間に対して持っている既成概念を完全に壊してくれます。
 ここには通常の建築物にある空間のヒエラルキーも存在しなければ、床・壁・天井という建築を構成する明快なエレメントの区別もほとんどありません。

続きを読む

自由学園明日館

夜景

【DATA】

  • 所在地:東京都豊島区西池袋
  • 設計:F.L.ライト+遠藤 新
  • 施工:不詳(解体修理:大成建設)
  • 竣工:1921(解体修理:2000年)

 近代建築における3巨匠の一人に上げられる建築家、F.Lライトによる学校建築は、池袋の雑踏からそう遠くはないながらも閑静な住宅地の中にあります。
 自由学園は、雑誌「婦人の友」で知られる羽仁もと子・よし一夫妻によって創立された小中一貫教育の私立校で、東京都東久留米市南沢に移転した後、明日館は卒業生の事業活動に利用されていました。2000年に竣工した解体修理後は、『学園が社会に働きかける活動の場』と位置付けられ、一般の見学・施設利用も可能となっています。

続きを読む

ジャン・プルーヴェ展

[神奈川県立近代美術館]
20世紀デザインの異才 ジャン・プルーヴェ 「ものつくり」から建築家=エンジニアへ

from Corbusier to Prouve'

 『「ものづくり」から建築家=エンジニアへ』と題された展覧会は、プルーヴェの自信に満ちた表情と1964年1月にル・コルビュジェ(Le Corbusier)がプルーヴェに宛てた一通の手紙からはじまった。コルビュジェは、この手紙の中で「ナンシー王朝の創造的な血を受け継いだ」「時代精神を表現する建築家=エンジニア」とプルーヴェを褒め称えている。

続きを読む

メゾン・エルメス

外壁

【DATA】

  • 所在地:東京都中央区銀座
  • 設計:レンゾ・ピアノ・ビルディングワークショップ
  • 施工:竹中工務店他
  • 竣工:2001年

 数寄屋橋交差点のソニービルのすぐ隣に建つ、 2001年にオープンしたエルメスの直営店です。店舗の他に、皮革工房、ギャラリー、ミュージアムを備え、メゾン(家)という名前が示すとおり、単なる店舗ではなく、エルメスという文化を発信する拠点として位置付けられているようです。

続きを読む