せんだいメディアテーク

ファサード

【DATA】

  • 所在地:仙台市青葉区春日町2
  • 設計:伊藤豊雄建築設計事務所
  • 施工:熊谷・竹中・安藤・橋本JV
  • 竣工:2000年

 ケヤキ並木が続く仙台のメインストリート「定禅寺通り」に建つ図書館、展示施設、映像メディアセンターの複合施設。多様化する情報を集約した次世代のためのライブラリーとして計画されたものです。
 1995年、このライブラリーに相応しい設計者を選定するために公開コンペが実施され、伊藤豊雄氏の案が選定されました。コンペ案で提示された模型は軽やかで幻想的な提案でしたが、実際の建物は軽やかさよりもモノとしての力強さの方が前面に出ていて、コンペ案とは印象は違いますがすばらしい空間となっています。

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同潤会 青山アパートメント

青山アパート ファサード

【DATA】

  • 所在地:東京都渋谷区神宮前4丁目
  • 設計:同潤会建築部営繕課
  • 施工:神谷太一郎他
  • 竣工:1926〜27年

 ロケに使われたりマスコミで表参道といえば必ず取り上げられる有名な建物で、たとえ名前を知らなくても目にしたことがある人は多いと思います。ツタが這うファサードはケヤキ並木と一体となり、表参道のランドマーク的存在として親しまれていました。大企業の建物でも公共の建物でない建築が、都市のランドマークとなった例としてはもちろん、集合住宅が都市景観として定着した希少な例でしたが、2003年に建替えのため取り壊され、現在はその姿を見ることはできません。

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読売会館(旧有楽町そごう)

外観夜景

【DATA】

  • 所在地:東京都千代田区丸の内
  • 設計:村野・森建築事務所
  • 施工:1957年
  • 竣工:清水建設

 JR有楽町駅前という恵まれた立地条件でありながらも、三方を道路に囲まれた三角形の狭小で不整形な敷地は、百貨店としては決して恵まれた敷地ではありませんでした。しかしながら、関西の百貨店が戦後復興が進む東京に相次いで進出していた当時、「有楽町そごう」はその最後発として東京進出を果たし、有楽町のランドマーク的存在として親しまれてきました。その後、2000年9月にそごうの会社更生法申請に伴い43年間の歴史に幕を閉じ、翌年2001年6月には家電量販店が新しいテナントとなり現在に至っています。

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三信ビルディング

ボルトで留められたような外壁

【DATA】

  • 所在地:東京都千代田区有楽町1
  • 設計:横河工務所(松井貴太郎)
  • 施工:大林組
  • 竣工:1930年

日比谷公園に面して立つ昭和初期の事務所建築です。東西に細長い平面を持つこの建物は、外観は優雅さよりも大味な印象受けますが、よくよく見てみるとなかなか複雑なデザインが展開されています。
西洋建築を取り入れようとしたこの時期の建築物の例に漏れず3層構成のファサード。中層部と上層部はタイル張りとなっていますが、目を引くのは下層部のボルトを表した石張り。このような表現は、ウィーン・ゼツェッシォンを率いた建築家オットー・ワーグナーによる郵便貯金局(Postsparkassenamt/1906)にタイルをボルトで留めた表現が見られますが、国内では珍しいデザインなのではないかと思います。

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